環境整備設備

四季を通じ満喫できる公園の楽しさと安全性を支える

国営越後丘陵公園 水遊び遊具循環設備

MEMBER

  • 長岡支店 技術部 部長代理

    岡村 昌明Masaaki Okamura

  • 長岡支店 技術部技術第一課

    品田 将英Shoei Shinada

  • 長岡支店 技術部上越技術課

    閏間 簾士Renshi Uruma

子どもたちに人気を誇る水遊びエリアの設備を更新

1998年に北陸地方唯一の国営公園として開園した国営越後丘陵公園。里山の自然に抱かれた公園は、四季を通して地域の人々に親しまれています。その中の健康ゾーンにある越の池エリアは、水遊びができるとあって子どもたちの人気を集めてきましたが、経年劣化等により設備更新の時期を迎えていました。
これからも子どもたちが楽しく安全に水遊びができるよう、水循環設備の更新と音楽噴水池の水中ポンプ更新の一連の工事に、入社1年目の品田と閏間を率いて岡村が挑みました。

砂ろ過から高分子ろ過へ――ろ過設備を一新

ウォータートンネルやミストツリー、ウォーターマシンガンなど水を使って遊ぶ遊具が12種類設置された水遊び広場。そこで使われる水のろ過装置を、それまでの砂ろ過から高分子ろ過装置に更新しました。プラスチックの一種のポリマー(高分子)は、水質劣化の主な原因である油成分粒子の吸着に優れ、吸着後に水とエアーで逆流洗浄すれば汚れを洗い落とせるのでろ過材の交換が不要。効果が高く、ランニングコストも抑えられるという利点があります。
プール単体での導入は珍しくありませんが、1時間当たり90tの大規模設備への適用は新潟県でも希少な取り組み。導入した大型の装置は3台、使用するポリマー量は800kgにも及び、設置を担当していた閏間にとっては驚きの連続。見えないところでこれだけの装置が動いていると知り、自分の仕事の重みを実感していました。

19台のポンプで音楽噴水の美しさを追求する

このエリアのもう一つの人気アトラクションは、オリジナル音楽に合わせて6種類の噴水が上がり、さまざまな水の表情を見せる音楽噴水です。水を噴き上げる水中ポンプが老朽化し、揃うはずの水の高さにばらつきが起きていました。岡村の提案により顧客と協議し、更新台数を14台から全19台の更新にし、迫力と美しさの改善を目指しました。
問題は噴水の水景についての施工管理基準がなかったこと。各ポンプの水量をどのように設定すればよいのかわからず、施工前後で撮った噴水の動画を見比べながら、全体的な印象は同じに、噴水量や高さが完璧に美しく揃うよう、細かな調整を重ねました。夏には夜間にライトアップされ、昼間とは違う幻想的な表情を見せる音楽噴水。美しく揃った水景で、子どもだけでなく大人も魅了したいと担当した3人は期待を膨らませています。

設備の力で人々の笑顔をつくっている

今回の工事は越後丘陵公園内での作業だったので、入園者への配慮を徹底しました。小型発電機には防音壁を設置し、立ち入り禁止標識はひらがなで表示すると共に公園のマスコット「ころりん」を配置するという、雰囲気を和らげる工夫で子どもたちへの視認性を高めました。また、水遊び遊具機械室の屋上マットの入れ替えでも、そこがウォーターマシンガンを楽しむ場であることから、子どもたちのためにひと工夫。自分自身が子どもの頃ここで遊んだことを思い出しながら、品田が子どもの視点で楽しさを追求、クジラをデフォルメしたデザインでマットを設置しました。
誰にも気づかれないところにありながら、設備が多くの人たちが憩い、楽しむ場を支えている――その誇りは新人ふたりの中にしっかりと形成されました。

 

工事概要

工事名 国営越後丘陵公園 R02水遊び遊具循環設備他改修工事
工期 2021年4月23日~2022年1月31日
発注者 国土交通省北陸地方整備局 国営越後丘陵公園事務所
設備 水遊び遊具及び音楽噴水ポンプの循環設備